社長からのごあいさつ
最近、環境問題が世界的規模で注目されています。 他人の迷惑を顧みず、一時の流行や目先の利益だけを追うスタイルは、将来必ずしっぺ返しが来るもので、自然災害などはその最たるものでしょう。 一人一人の力はわずかでも長期的視野に立って環境と共生するという考えで美しい自然環境を後世に残していかなければなりません。
そのために今、世の中の物全てに環境負荷への影響を評価する手法としてライフサイクルアセスメントがISO14040で企画化されるなど、ライフサイクルで性能を評価することが国際的にも注目を集めています。 住宅を考えるとき新築費用だけで評価するのではなく、人が住まい、メンテナンスにかかる費用、毎日の光熱費、解体にいたるまでの生涯コストがライフサイクルコストとなります。 ライフサイクルコストを考えると、新建築時に費用がかかっても30年で建て替えなければならない、また、解体時にも土に戻る材料を多く使った家の方がライフサイクルコストが安くつき、自然環境にも良いことになります。
また最近では、住宅に付随する庭を考えるとき、ガーデニングブームと言われた時期のイングリッシュガーデンよりも和風の庭が見直されています。それは茶道 のわびさびの作り込んだ庭でもなく、明るく自然な花のある和風の庭です。 やはり日本の風土にあった樹木や植物の方が失敗無くうまくいくのでしょう。
これからはブームや流行に左右されるのではなく、生活すること、長い期間をかけて樹木や草花を育てていくスタンスで考えることがライフサイクルコストを意 識することに繋がると思います。 自然素材、木や石や土を多く使いライフサイクルコストを意識した住まいは、地球環境に良いだけでなく、人にも心地よい住まいとなるでしょう。
宮坂木材産業株式会社 代表取締役
宮坂 雅博