木の材料豆知識
木材は生きています。住宅に使用した木材は室内の室温を調節します。湿度の高いときは水分を吸収し、湿度の低いときは水分を放出します。
無垢の木材
丸太(原木)を製材して使えるようにした木材
長所
- 住む人の健康を守る安全な素材です
- 現在問題になっている「新築病」は接着剤等から出る化学物質が原因とされていますが、無垢の木材は接着していませんので有害物質を発生しません。
- 真の省エネルギー素材
- 木材ほど製造時に使用するエネルギーの少ない素材はほかにありません。現在の住宅は「省エネルギー住宅」がうたわれています。しかし製造段階でエネルギーを多量に使用する住宅は本当に省エネルギー住宅といえるのでしょうか?資材を製造する段階のエネルギーを考慮して材料を選べば木材が一番です。
短所
- 見栄えが一定しない
- 自然のものですから見栄えが一定しません。木目ひとつをとっても全部違います。また木材の中で無節葉の木材はごく一部にため見栄えのよい無節の木材は価格が高くなります。
- 経年変化(曲がり、割れ、変色)がある
- 無塗装の木材を日光に当てれば変色します。また、室内の湿度を調節するときに伸び縮みします。乾燥する段階で割れることがあります。
集成材
無垢の木材を接着し、工業化した木材
長所
- 材質が一定している
- 工業化した木材なので長いもの、太いものでも強度を一定にすることが出来ます。構造的には理論上無垢材に比べ1.5倍の強度があります。完璧な無垢の木材があれば集成材より強度はありますが、無垢の木材は天然のものであるため、表に見えなくとも中に節などの欠点があり、力が加わるとその欠点にひずみが集中して折れてしまいます。それに対して集成材は節があっても欠点が分散されているために結果的に一定の強度が保てます。 曲がりや、割れなどもないため 昨今住宅を建てる際に機械で刻みを入れる(プレカット)が主流ですが、それに対する加工が容易です。
- 見た目が均一に美しい
- 見た目も均一しています。また、価格もあまり上下することはありません。
短所
- 水に濡れると弱い
- 強度があるとはいえ、これは乾燥された状態でのことで、製造段階での乾燥の不十分、接着面の凹凸、圧縮時間などに不足があったときは剥離する可能性が出てきます。ということで 水にぬれたら弱いです。とはいえJASの試験では集成材を水につけたり、煮沸したりしての条件で接着性能をテストし、耐性の確認をしています。ですから耐性に関しては確認しています。ただ 製造工程、流通、保管の段階で何らかのミスが発生した場合は問題が起こる可能性はあるでしょう。